SDA in 王滝100kmレースレポート

大会名:セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝 100km
大会ウェブサイト:http://www.powersports.co.jp/sda/
開催地:長野県王滝村
開催日時:2016年5月22日
距離:約93キロ(メーター読み)
獲得標高:2,515メートル
気温:4〜23℃
参加レーサー:約1,445人(100km780人, SS32人, 42km526人, 20km107人)
最高標高地点:1,612メートル
平均標高:1,386メートル
結果:1位(総合優勝)
タイム:4時間37分41秒(公式記録)
TSS:271
エネルギー量:3,232kJ
レースデータ(Training Peaks):http://tpks.ws/MnmPd
レースデータ(STRAVA):https://www.strava.com/activities/583801372

国内最大のMTB長距離レース「SDA in 王滝」。長距離レーサーにとってこのレースのタイトルを獲ることは非常に大きい。

毎年春の王滝の時期は海外遠征直後ということもあり、調整が難しいのも事実。昨年は南米遠征後に肺炎を患い非常に悔しい思いをした。あの失敗を二度と繰り返さないためにも今回の南アフリカでの9日間レースを終えたあとは、体調を崩さないことにフォーカスし、通常よりも休養を多めにとり、レースに向けて調整を行った。

レース当日朝、3時10分起床。朝食はすぐに食べてレーススタートまでに消化時間を確保。バゲット一本にココナッツオイル、はちみつ、梅干し、植物性プロテインドリンクをしっかりと摂り、身体にエネルギーを充填。

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©Sayako Ikeda

5時に会場入りをして、20分軽くアップ。20秒ほどのダッシュを3本ほど入れて心身を起こしてキレを確認してからスタートに並んだ。フィーリングは悪くない。

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©Sayako Ikeda

天候が良いとはいえ、スタートの気温は一桁。王滝の朝はやはり寒い。寒さに弱い私はイナーメのウィンターオイルをほぼ全身に塗りこみ、腹部には軽くレインジェルを塗って対策を行った。

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©Chihiro Shibata

朝6時、たくさんの声援に見送られていよいよ100キロの戦いがスタート。

先導車が消えた瞬間から一気にスピードは加速。本格的な登りが始まる斜度の緩い区間ではさらにその速度は上がる。予想以上に速くすでに息が上がりきってしまい、スロースターターの自分にとっては付いていくのがやっとだ。

ここはペースが落ち着くまでの我慢。この最初のふるいで弱気になり、先頭パックから落ちるとあとで取り返しがつかなくなるので地獄のように辛いがここは忍耐しかない。

登り中盤でようやく自分のペースに落ち着き、最初の長い登りを終えた時点で先頭は宮津選手(PAX PROJECT)、松本選手(SCOTT)、私の三人に絞られていた。

宮津選手は若手筆頭で刺激を与えてくれる存在、そして松本選手は私のリスペクトする選手。申し分のない展開だ。

ハイペースをキープして第一チェックポイントを通過。この時は宮津選手と二人のパックとなっていた。しかし、目標としていたタイム1時間45分よりも数分も遅く、スピードに乗っていない。新しい砂利がコース上にけっこう入っていたのでそのせいもあるかもしれないが、もどかしい。

若手の宮津選手の登板能力が非常に高く、登りで先行される場面が多かった。しかし、下りでは私に分があったので、できるだけ引き離してから登りに入る作戦をとった。

お互いに譲らない心身の限界を攻めた一進一退の攻防が続く。

気持ちが一瞬でも負けたら、置いていかれる。

そんな張り詰めた緊張感の中で互いの長所を惜しみなく出し合い高め合う。

とんでもなくきつい状況だが、最高のライバルがいるレースでしか味わえないこの極限の世界が好きだ。

相手のおかげで自分の限界の先へ行き、成長ができるのだ。感謝の念すら抱く。

第2チェックポイント直前、宮津選手が若干遅れ始める。

私も足を緩めたい辛い状況ではあったが、勝負所と判断してギヤを一枚上げてペースアップ。

この約63キロ地点からは一人旅となったが、決して楽な展開ではなかった。

前半のデッドヒートのダメージのせいか身体が徐々に攣り始めてしまった。一気に上がった気温や高い標高も影響しているかもしれない。最初は前腿、ハムストリングス、内腿、腰の順番に痙攣が起きた。

絶叫しそうなほどの痛みと戦い、固まろうとする筋肉を無理やり動かしてペダルを回した。筋肉がちぎれる音が聞こえそうなほどだった。

残りの大きな登りは2つ。後ろからは強豪ライダー達が必死に追いかけてきている。ペースを落とす余裕はない。

ここからは20キロ・42キロコースと合流し、ライダーの方達が抜き際に応援してくれる。精神的にすごい助けとなるので、私も声をかけられるときは応援して互いに励ましあった。

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©Motohiro Takaki

今レースの目標はもちろん勝つことが第一だが、最後まで出し切り、ベストを尽くすこと。

もし、今が世界選手権だったらまだまだ前に抜かさなければいけない相手がたくさんいる。見えないライバル達を追いかけるイメージしながら気持ちを前へ前へと持って行った。

リードしていても逃げ切る意識ではなく、あくまで前を追う意識。

世界へ出ればまだまだチャレンジャー。この心は絶対に忘れてはいけない。

最後のフィニッシュゲートへと続くロングダウンヒルも集中力を研ぎ澄まして攻め続けた。

「まだまだだ」「もっとスピードを出せるはずだ」心の中で唱え続けた。

たくさんの方達の声援が聞こえ、ゴールが見えたとき、ようやく心に「勝利」の二文字を確信した。

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©Takuya Adachi

どんなレースであろうと勝つことは決して楽ではなく、全てがかみ合わないとそれは叶わない。

あんなにもきつかったレース展開もこの瞬間に喜びと変わり、積み上げてきたきついトレーニングも報われる。

ゴール直後は下半身全てが攣って大変だったがそれも笑いとばせるほど最高に幸せなモーメント。

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©Chihiro Shibata

そしてこの時間を一緒に心から共有できる支えてくれている人たち、家族、友達、コーチ、応援してくれる全ての人たちに心から感謝。そして、共に高め合った最高のライバル達へも。

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©Sayako Ikeda

春の王滝での優勝は2012年以来。私にとってこの大好きな王滝村で優勝する意味は非常に大きい。MTBマラソン世界選手権(フランス)を始め、これから本格的に始まる海外遠征へ向けて大きな自信にもなった。

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©Sayako Ikeda

次のレースは6月5日のヒルクライム・イン・王滝村。今レースに続くキング・オブ・MTB王滝の2戦目。

ヒルクライムを終えるとスリランカ・フランス・アメリカ・モンゴルと長い海外遠征が始まります。

引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

ありがとうございました!

レース中補給

大ボトル一本(スポーツドリンク約750ml)、ソフトフラスコ2個(パワージェル梅味8個と水をまぜたもの、約500ml)、梅干し1個

レース機材

バイク: Canyon LUX CF 29 チームエディション

ドライブトレイン:SRAM XX1, 32T

タイヤ: Continental X King 2.2Protection: 前後18~20PSI

グリップ: Ergon GS1

グローブ: Ergon HX2

ペダル: Crank Brothers Eggbeater 11

ヘルメット: Limar

ボトルケージ: Topeak ShuttleCage CB

チェーンオイル:Finishline CeramicWet Lube

補給食:GUパワーバージェル&VESPAプロSayako’s Kitchen

リカバリー:C3fit コンプレッションソックス

テーピング:ニューハレ

パーソナルスポンサー:

NEW HALE:テーピング

自転車コーキ屋

Peaks Coaching Group Japan

VESPA

パワーバー

THE NORTH FACE

C3フィット

なでしこ健康生活・生きている玄米

ヒロコンフーズ

VITAMIX

HALO HEADBAND:ヘッドバンド

オルタナティブバイシクルズ

民宿 藤屋(王滝村)

百草丸 日野製薬(株)

スポーツクラブ ルネサンス

チームスポンサー:

Ergon

Topeak

Canyon

SRAM XX1ContinentalTires

Primal Wear

Finish Line

Crank Brothers

Chamois Butt’r

Stan’s No Tubes