テルユライド100準優勝レースレポート

大会名:テルユライド100
大会ウェブサイト:http://telluride100.com
開催地:テルユライド、コロラド USA
開催日時:2016年7月23日
結果: 準優勝
距離:約160km
獲得標高:約4500m
平均標高:2942m
最高標高:3820m
タイム:7時間48分16秒
TSS:476.8
仕事量: 4985kj

いよいよやってきた。初開催から2年連続で優勝し、3連覇を懸けた今大会。

テルユライド100は全米でも屈指のハードコースとして知られている。コロラドの険しいロッキー山脈を100マイル(160キロ)、獲得標高約4500m走破するモンスターレースだ。

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©Telluride100.com

そのコースの美しさは大会の副題にもあるように「The most beautiful race on the earth (世界で最も美しいレース)」とまで謳われている。

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©SayakoIKEDA

前日の開会式、ミーティングで前年度の優勝者に与えられる1番のナンバープレートを渡される。心身ともに気が引き締まり、モチベーションも一層上がる。

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2番は今年からチームメートとなったブライアン・ディロン選手。昨年は最後の最後までデッドヒート繰り広げた最強のライバルでもある。アメリカの中でも屈指の長距離レーサーとして大活躍中。4番のジェフ・カーコヴ選手はチームのマネージャー兼選手でロングレースでの安定した強さが定評だ。

スタートは朝6時。スタート標高がいきなり約2700mほどあるのでかなり冷えるが興奮と熱気でそこまで寒さは感じなかった。

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スタートするとすぐに大会名物の超険しい「ブラックベアー峠」が待ち構える。標高差約1200mを一気に駆け上がる。

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©Telluride100.com

開始15分ほどでディロン選手と私の二人が飛び抜ける形となり、昨年と全く一緒に展開となった。ペースは昨年よりも速い。3位以降の後続はすでに見えない。

まるで最初の峠がフィニッシュのヒルクライムではないかと思うくらいの全力ペースで登る。

ラインが悪かろうが後ろにつくことはせず、二人とも並走して互いの意地と力をぶつけあう。まだレースの10分の1くらいしかこなしていないのに惜しみなく全力を出している。きつい、とにかくきついがなぜかワクワクする不思議な感覚だ。

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頂上付近は急斜面の岩場があり、バイクを担ぐ場面もある。ここで少し遅れをとってしまう。

一つ目の峠のトップへは2番手で通過。差は1分以内に抑えている。まだまだ行ける。

ディロン選手は登りがとにかく強いが、ダウンヒルは私に部がある。リスクはあるが下りも集中力を高め、限界を攻めた。ここで若干リアタイヤの空気圧がいつもよりも低い感覚が・・・。スローパンクのような感じなのでシーラントが埋めてくれることを願いながらそのまま下り続けた。

しかし、願いも虚しく空気は抜け続けた。二つ目の峠の登りが5分ほど始まったところで空気がほぼ抜けてしまいストップを余儀なくされる。シーラントはたっぷりと入れてあるし、空気の抜ける音は小さいので CO2で空気を多めに充填して穴が塞がることに期待する。

そうこうしているうちに見えていたディロン選手の後ろ姿が消えていく。

再スタートして登り始めるが、ほんの少しずつだがまだ空気が抜けていくのを感じる。止まってCO2で空気を充填、を繰り返しながらレースを進めた。この2つ目の峠を越えさえすればエイドステーションでスペアホイールが待っている。そこまでの辛抱だ。

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手持ちのCO2を使い切り、タイヤがベコベコになりながらもギリギリで最初のエイドステーションに到着。焦りながらもホイール交換、ボトル交換、補給食をサポートの清子に手伝ってもらいながらこなす。

この間に一人に抜かれて3位に落ちる。

モチベーションも崩れかけるが、

「まだ大丈夫。焦らなくて大丈夫。必ず追いつける。」

清子の言葉にはっとなり、冷静さを取り戻す。

バイクも心も仕切り直して再スタート。トップとの差は約7分。まだレースの半分も来ていない。これからだ。

45マイル地点あたりで2位に浮上。

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ディロン選手の見えない背中をひたすら追う。

周りから聞くタイム差情報は7分前後で変わらない。お互いに姿は見えないが二人の全力勝負が繰り広げられていた。

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息を飲むような絶景に囲まれたロケーション、素晴らしいコース、そして最高のライバルに恵まれ、レーサーとしてこれ以上の幸せはあるだろうか。
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スタートから6時間経過。朝3度しかなかった気温は33度まで上昇。 心身共に限界を超えた世界が始まる。

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残り30マイル(48キロ)を切っても未だ7分の差が縮まらない。

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最後の勝負を決める長い登り「ラストダラー峠」が始まる。

ここで少しレースが動く。最後のエイドステーションでその差が5分台までに縮まっていた。ディロン選手もまた限界を超えたところで戦っている。

ラスト40キロ。「必ず追いつける。」心からそう信じてもう一段階ギヤを上げる。

ここでもう一段上げることができている自分に驚きつつも、勝てるフィットネスが今の自分にはあるという自信もあった。このレースのために積み上げたトレーニングは半端なものではなかった。だからこそ生まれる自信。

パンクごときのトラブルはひっくり返せるはずだ。その証拠に7時間経過しても集中して追い込めている。

優勝した昨年よりも確実に良いフィーリングで登っている。

最後の峠を通過。

しかし!まさかのタイム差が6分ほどで全く縮まらず変わっていないことを知らされる。

ショックと同時に相手に対してリスペクトの念すら覚えた。彼もまた限界以上の領域で追い込んだに違いない。凄い。

ここからは逆転するチャンスが低い下り基調のコースがフィニッシュまで続く。

全神経を集中してコンマ1秒無駄にしない走りに精神を研ぎ澄ます。最速のライン選択、風の抵抗とブレーキを最小限に、コーナーリングの限界攻め、こげるところはとにかく全力で踏んだ。

フィニッシュまで1キロを切り、フィニッシュゲートが視界に入る。そして、ディロン選手のフィニッシュ姿も。

負けた。

身体も心も機材もサポートも全てを出し切った。

その上での負け。3連覇はならず。

2位でフィニッシュゲートをくぐる。

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優勝したディロン選手から最終的に5分21秒遅れ。彼は本当に強かった。

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パンクからの復活後は、姿こそ見えなかったがお互いがお互いの限界値を引き出し、成長し、素晴らしい戦いができた。

3位にはなんと30分以上離したことも二人が高め合った証拠。

最強のライバルにして最高のチームメートだ。ブライアンありがとう。

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勝てる準備をし、その力を持っていながら勝てなかったことは本当に悔しい。

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しかし、純粋に今は思う。次回こそはディロン選手ともう一度本気でぶつかり、トコトン戦って勝ちたい。

大会3年目にしてキャンセル待ちリストが出るほどの人気レースとなった今大会。これも素晴らしい運営とロケーション、そして魅力ある主催者とスタッフのおかげ。ありがとうございました。

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応援してくださった皆様にも心から感謝です。ありがとうございました!

そして、レース中チーム3人(優勝したディロン選手、2位の私、6位のカーコヴ選手)を完璧にサポートしてくれた清子にはスペシャルサンクスです。

これで今北米遠征最大のレースを終えました。少し休養したのちに次のビッグレース「モンゴリア・バイクチャレンジ6日間レース」へ向けてトレーニングを再開します。

引き続きどうぞ宜しくお願いします!

レース機材

バイク: Canyon LUX CF 29 チームエディション

ドライブトレイン:SRAM XX1, 30T

タイヤ: Continental Race King 2.2Protection: 前後18~20PSI

グリップ: Ergon GS1

グローブ: Ergon HX2

ペダル: Crank Brothers Eggbeater 11

ヘルメット: Limar

ボトルケージ: Topeak ShuttleCage CB

チェーンオイル:Finishline CeramicWet Lube

補給食:GUパワーバージェル&VESPAプロSayako’s Kitchen

リカバリー:C3fit コンプレッションソックス

テーピング:ニューハレ

パーソナルスポンサー:

NEW HALE:テーピング

自転車コーキ屋

Peaks Coaching Group Japan

VESPA

パワーバー

THE NORTH FACE

C3フィット

なでしこ健康生活・生きている玄米

ヒロコンフーズ

VITAMIX

HALO HEADBAND:ヘッドバンド

オルタナティブバイシクルズ

民宿 藤屋(王滝村)

百草丸 日野製薬(株)

スポーツクラブ ルネサンス

チームスポンサー:

Ergon

Topeak

Canyon

SRAM XX1ContinentalTires

Primal Wear

Finish Line

Crank Brothers

Chamois Butt’r

Stan’s No Tubes